E3を終えて Part1

 先頃行われたE3の情報を中心に、今年から来年に掛けて発売予定のゲームについて簡単な情報や感想を書いてみたい。既にシューター系ではPCオンリーという物はほぼ無いので、マルチプラットフォームでPCでも出るシューティングについてになる。 



*Crysis 2


 いよいよこのゲームもマルチプラットフォームとなり、コンソール版も同時に発売される事になった。これまでは初代のFar Cryを含めてジャングルや海を主な舞台としていたが、この新作ではNYという全く異なるロケーションになっているのがやはり最大の変化と言える。マンネリ化を避けるという意味合いがあったとは思うのだが、広大で美しいジャングルのアウトドア風景が大きな売りだったのも確かで、この変更がどう出るかは微妙である。今のところ市街地戦しか公開されておらず、それを見る限りは他のFPSと似てしまって個性が薄れたという感は否めない。広大なマップサイズを保つのは勿論だが、ロケーションの変化が多くなる事にも期待したい。


 ゲーム性自体はこれまでと同じ。アウトドアがメインで、進行ルートや目標(サブを含む)の達成順には高い自由度有りとされている。コンソールでは第一作目となるので、これまでのニ作品は知らなくてもストーリーを追うには問題が無いようにされている。また一作目の様に終わりが中途半端で批判されるような形にもしないと明言している。


 変わった点はナノスーツの機能で、前作から数年後という設定なのでバージョン2へとアップグレードされている。モードは同じく4種だが機能は変化しており、armor, power, tactical, infiltrationとなる。そしてデフォルト状態から4つの機能に切り替えていたのに対して、今回はデフォルトで既にこの中のArmorとInfiltrationのどちらかになっているという仕様。Infiltrationは移動速度がややアップしてノイズも軽減されるというステルス向きのモードで、クロークをオンにすると初めてエネルギーが減少していくという風に変わっている。この基本2種の他に残り2つへと切り替えが可能で、PowerはこれまでのStrengthとSpeedと合わせたモード。Tacticalは周囲の敵やアイテム類の情報を得られる特殊ビジョンとなるモードである。その他にゲームの進行に応じてスーツ機能をアップグレード可能というシステムも加わった。
 気になるのはこれまでにも指摘されているように、スーツのエネルギーが無限リチャージ可能なので乱用するとプレイヤー側が強くなり過ぎてしまうという点で、この辺がどういう風に調整されているのかがポイントになると思われる。


 他には今回も北朝鮮軍ではない新しい人間型の敵が出現するそうだが、どうも情報からするとかなりエイリアンとの戦いが多くなる模様。開発側は史上最高のAIを持ったゲームと宣言して自信満々であり、新しいエイリアンのAIは非常に高度だとしている。Warheadでは確かに改善も見られたが、エイリアンよりも人間との戦闘を増やして欲しいという意見の方が多かっただけに、どの位優秀になっているのかが重要になる。



*Deus Ex: Human Revolution


 Warren Spectorから作り手が変わり、久し振りの第三作目。舞台は第一作目よりも前の時代となり、主人公も新しくなっている。二作目の評判が良くなかったというのもあって、今回は評価の高い一作目により近い方向性を目指している。ゲームの内容やシステムはほぼ同じで、目標を達成する方法や進行ルートには自由度があり、また自らの体の改造によって好みの能力を強化し、それに沿った解決方法を達成し易くするように進められる。違いとしては1作目の主人公であるJ.C.DentonがNano Augmentationを使用した新たな世代のエージェントだったのに対して、今回の主人公は時代がそれよりも前なので機械的な人体改造を行っているという点。一作目のAnnaやGuntherと同じで外観が機械化されているのが見えるようになっており、プレイヤーの選択した改造が画面上で確認出来るようだ。


 戦闘面ではカバーシステムを導入しており(カバー時は三人称視点になる)、一作目よりはアクション性が強い物になると予想している。ステルスでの行動も勿論可能。コンソールでも過去に発売されてはいるがPCほど高評価はされておらず、年月も経っているので実質今作がシリーズ一作目の様な立場にあるので、初代並のクオリティを達成出来れば大ヒットも可能であろう。



*Call of Duty: Black Ops


 交代制で制作されるシリーズの新作で、今回はTreyarchの番である。とはいえInfinity Wardがあんな事になってしまったので、来年のModern Warfare 3?はどうなるのかちょっと不透明になっている。2008年のWaWは発売前の不安を裏切って予想外に良く出来ていたゲームであり、それ故にこのゲームには今回は期待している。これまでには使われていなかった時代や場所を幾つかピックアップしており、現時点では1960年代のロシアとベトナム戦争が含まれる事が明らかにされている。


 CoDシリーズはスクリプト多用で先の展開が読めてしまい新鮮味が無いという批判を受けたりしているが、新たな舞台設定を使う事でその辺の不満は大分軽減も出来るだろう。MWの一作目は時代を現代に移した事から新しさも感じられたが、二作目も同じ様な設定なのであまりやりたいという気が起きない状態である。それに比べるとマルチプレイはともかくとして、シングルプレイの方はMW2よりも面白そうだと考えている。不満としてはキャンペーンのCo-opが無くなってしまった点で、独自の専用マップでプレイ可能になるとされているが、ゾンビモードが今回も収録されるのかも不明。


 後はMW2と同じくスクウェア・エニックスから日本語版が出る事が決まっており、海外版が買えないという様な騒ぎが再度繰り返されないように願っている。



*Portal 2


 E3で公開された新たなゲーム性は非常に高い評価を受けたようだが、個人的には少々心配も感じられるという印象である。前作でのパズル構成要素はユーザーマップを含めて十分に使われ尽くしたという事なのだろうが、2ではパズルを構成する要素や仕組みが数多く新規導入されている。しかし前作の魅力は最小限の構成要素で様々なパズルを生み出したという点が大きく、スッキリしているが奥深いという良さを持っていた。


 それが2では公開されただけでも、トラクタービーム, ジャンプパッド, thermal discouragement beam(キューブを使用して方向を変えられるレーザー), pneumatic diversification vent(多数の物体を吸い込んで流すパイプ), スリップして高速化するジェル, ハイジャンプ可能になるジェルといった構成要素が追加されている。それによってより複雑化したパズルが多数作れるようになるのは間違いないが、複雑化し過ぎる事によりパズル自体の面白さが減少してしまうという恐れも持っている。1では少ない構成要素だけで構築されているのに頭を使わないと解けないような“美しいパズル”が多かったが、それが減少してしまうのではないかというのが心配している点である。


 1での欠点だったボリュームの無さは改善されるそうだが、新規構成要素をゴチャゴチャと詰め込んだ難解なだけのパズルが増えるのは勘弁してもらいたい。



*Mafia II


 延期されていたがどうやら8月に発売されるようだ。制作会社が同じとは言え、前作に関わっていたメンバーはほとんど残っていないという点から不安もあったのだが、個人的に最も重要だと考えているゲームの雰囲気についてはかなり良さそうだ。グラフィックスのクオリティが格段に上がっているのは当然であり、ポイントはそこではなくグラフィックスのトーンを含めた前作の重厚な雰囲気が継承されているかに注目していたのだが、公開されているムービーを見る限りは相当前作にイメージが近いままに仕上がっている。1では難易度が高く洗練されているとは言えなかった戦闘面も、チェックポイントセーブやカバーシステムの導入により無駄に難しくはなっていない模様。あの難易度が名作だった1がほどほど位にしか有名にならなかった元凶だと思えるので、その難易度が下がるのは歓迎したい。


 あくまでもストーリー最重視という観点から、結局オープンワールドでの自由度要素は控え目に抑えられている。街のサイズは2倍になったがGTAの様に至る所で様々な事が出来たりするゲームでは無く、金を稼いで車をアップグレードしたり服を購入出来たり、或いは警官に対して賄賂を渡したりが可能という程度。なおどうやら前作同様にミッションの発生場所までの行き帰りは必ず自分で運転しないとならないようだが、多少街中で何かが出来る様になったので作業気味の退屈さは軽減されると思う。


 私自身はオープンワールドタイプのゲームでは無いと考えているので特にその辺に不満は無いが、現在では広大なマップを持つゲームはほぼ全てがオープンワールド・スタイルなので、その辺りで悪い評価を受ける可能性は避けられないような気がする。発売元も売れ行きを考えると、あまり強く「これはGTAの様なゲームではありません」とは宣伝できないだろうから、「そうだと思い込んで買ってみたら大して自由な事が出来なかった」として低い評価を下すプレイヤーが結構出そう。サブのミッションは増えているそうなので、それの充実で補うしか無さそうである。2002年当時とはゲーム界の状況が変わっており、広いマップを持つならオープンワールドとしての充実度が求められるという御時世なので、「なんでこれだけ広くてリアルに街を作り込んでおきながら、その中で自由に出来る事がこんなに限られているのか」という風に、強い逆風にならないかどうかが気に掛かる。


 ゲーム性へのマルチプラットフォームの影響は少ないと考えられるが、前作では盛んだったMod制作がどの程度可能なのかはPC版に取っては重要になるはず。この点はまだ情報が出ていないようだ。それとFR&FREもここまでアナウンスが無いという事は入っているとは思えず、人気があった要素だけにこれもマイナス面になりそう。



*Bulletstorm


 Epicの子会社になっているPeople Can Flyから、Painkiller以来の自社開発となる新作。同じ印象を持った方もいると思うのだが、最初に見た時はNecroVisioNとの類似性がまずは感じられた。NVNはPCFから独立したメンバーが興した会社が制作しているので、アイディアの源泉は彼等が一緒にPCFで仕事をしていた時代に既に存在していたのかも知れない。


 敵を倒す事がメインの目的ではなく、敵をどうやって倒すのかが重要という点がゲームの最大の特徴になる。大多数の「とにかく攻撃を当ててこの敵を倒そう」という風に考えるFPSとは異なり、常に「どういう方法やスタイルでこの敵を倒そうか」という風に考えながら戦闘するゲームである。どういう風に倒したか, 同時にどれだけ倒したか, 周囲の環境を利用したか等によってポイントが加算されていく。これをSkill Shot systemと呼んでおり、例えば背後に回って尻を撃って倒せば“Fire in the Hole”、痛みでのたうち回っている敵にトドメを刺せばMercy(慈悲)といった具合。一気に敵を倒すとその加点メッセージで画面が文字一杯になったりもする。そして稼いだポイントを利用して、マップ内のステーションで弾薬等のアイテム購入や武器類のアップグレードが行えるというシステムである。


 プレイヤーは右手の銃器, 左手のムチ, 蹴りという三種の攻撃を備え、ムチはPKにおけるデフォルト武器PKの様に当てた敵を引き寄せる能力を持つが、引き寄せた敵は一定時間スローになって空を舞うというのが大きな特徴。蹴り攻撃も同様に蹴った敵をスローにする力を持つ。これを利用してまとめて敵を倒したりがやり易くなっている。


 NVN同様に人を選びそうなゲームだが、ユニークさという点では目立っており、個人的には期待している作品である。 予定されているマルチプレイ(Co-op)にもユニークなシステムが組み込めればもっと面白くなりそうだ。



 以上で一区切り。

「E3を終えて Part1」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です