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[PROS] ◎行動制限を盛り込みながらも、過度に難しくはならないというバランス調整が見事 ◎敵の出現の仕方等、恐怖感の演出が上手い ◎戦略的部位切断という要素 ◎武器がバラエティに富んでおり使い分けが面白い ◎SFホラーとして雰囲気描写が優れている ◎アップグレードの自由度が高いので、自分好みに様々な要素を強化出来る ◎敵の造形や動きがグロテスクで良く出来ている ◎リプレイ性が高い [CONS] ×アクションゲームに慣れた人には難易度Normalはやや簡単なバランスで、途中で難易度を変える機能も無い ×自動的に調整されるカメラワークに難あり ×ゲーム進行に変化が無く、命令→達成→命令→達成の繰り返しが単調 高い評価を受けているのは知っていたのだが、その予想を超える面白さの傑作だった。まだやり残しているゲームは在るが、2008年度のアクションゲームの中では現状ベストだと思う。三人称視点はとにかく操作性が嫌だという方以外ならば強くお薦めしたい。この様なゲームを日本語化して国内発売出来ないというのは残念でならない。 本文でも書いたように難易度を上手く調整する機能が優れており、アクションゲームが得意では無いという人でも楽しめるようになっている。その調整の為に慣れているプレイヤーには後半になるに連れて易しくなってしまう感はあるが、それ以上を求めるのは酷というものか。ただ途中での難易度変更は可能にして欲しかったとは感じる。サバイバル感を味わいたいならば最初からHardの方が良いだろう。雰囲気の方も良く出来ており、難易度的にはそれ程ではなくても恐怖感の方は味わえる。なおグロテスクな敵が多いので気持ち悪さも結構高い為、そういうのが苦手な人には向かないかも。 メインの特徴として挙げられていた戦略的部位切断についてもユニークさが感じられて効果的である。特徴的な武器を使い分けて、様々な部位を敵に応じて的確に狙い撃つというのは戦闘の面白さを大きく増している。それ以外の手段でも倒せる設定だが、その辺は攻め方に使い分けが出来るという点で特に問題ではない。普通に敵を攻撃して倒すゲームであったらここまで面白くはならなかった筈で、アイディアからその実装まで良く出来ている機能として高く評価したい。 残念な点としてはゲーム進行があり、一本道であるのは多くのゲームでもそうなので良いとして、もう少しミッション内容に変化を付けたりペースを変えるとかの工夫が欲しかった。逐一通信等で命令されるがままに、Aという障害を取り除くと次にはBという障害が発生し、それを解決すると次はC、そしてD....というお使いパターンがほとんど。アイザックが自分自身で考えて動く展開や、多少の脇道や進行の自由度が欲しかった。 最後にゲームとしてはSystem Shock 2に様々な点で良く似ていると感じた。宇宙の巨大戦艦が舞台のホラー物、乗り組員がエイリアンに侵食される、アップグレードによるRPG要素、スロット方式による携帯制限、ログ再生による背景の説明進行等々。System Shock 3はEAが製作中というような噂も流れたが、「アクションゲームとして生まれ変わらせたのがこのゲーム」と言われても信じてしまいそうだ。 |